三倉岳クライミング

アウトドアーズ・コンパス スタッフ多田です。こんにちは。

なぜ登るのかと聞かれると、明確な答えが出ないながらも、今の自分の環境の中での挑む対象が岩で、おそらく登る事が楽しいからなのだろう、という事で懲りずに岩を登っております。

世間のGW開け、個人的に遅めのGWを勝ち取り、3年前のリベンジも兼ねて山梨県の瑞牆へ遠征を計画していたものの、天候が不安定な模様。

天気予報とにらめっこをし、唯一雨マークの付いていない地域を発見。

”広島県大竹市”

というわけで「三倉岳」に遠征してまいりました。

東の瑞牆、西の三倉、そんな言い方もされるようですが、三倉は瑞牆をギュッと凝縮させてような岩場で、

花崗岩の岩峰がニョキニョキと山から生えたような、中国の水墨画にでも出て来そうな岩場になります。

ルートはクラックやスラブが混在し、代名詞とも言える?良質な「ワイドクラック」が多いのが特徴。

ワイドクラックとは、ハンドやフィストサイズより広いクラックのことを指します。

体をクラックに入れ込んで登り、どちらかというと奮闘的になる場合が多く、慣れていないと別世界、過酷なクライミングになります。

来訪したのは今回で5回目くらい。実は先月も行ったのですが、

しっかり2時間ワイドに挟まって、全身擦り傷と圧迫によるあざ、おまけに肩を腰を痛め、満身創痍状態で挑んだ今回の遠征。

4日間の遠征で、初めの2日間はだましだましのクライミングを続け、3日目には、連日の朝の展望台での腰痛ストレッチが効いたのか、調子が戻って来た。

前回から引き続き、すでに2人とも広い割れ目しか見えていない模様。

最終日前夜、体からgoサインが発令され、三倉の看板ルート「スカイチムニー」に挑むことに決定。

これで挑むのは3回目になり、ことごとく敗退してきた事もあり、今日は岩峰の頂上に立ちたいと、お互い意気込みます。

1ピッチ目

ルートが蛇行し、ロープの流れがスムーズではなくなるという事もあり、ルーフクラック直下で一度ピッチを切ることに。

功を奏したのか、難なく突破。大堂での修行の成果ですね。

2ピッチ目

軽いフィンガーとハンド、ガバのトラバースからのプロテクション無しのチムニーパート。

ここも前回の教訓を参考に、チムニー前でピッチを切った。前回の苦戦がウソのように難なく突破。

3ピッチ目

いよいよ核心か。前半はオフィズス、その後はスクイズ、なんとなく登ったことがあるサイズで、下から見上げる限り、前回とは見え方が確実に違う。

「これなら登れそう」

意気揚々と取り付くも、そんなに甘くはないのがここ三倉。トポにはこう書いてある。

「最近の人は易しいところが一番難しいかもしれない」

自分を最近の人だとは思わないが、この言葉通りである。

左差しは間違いではなかったようだが、序盤の狭いオフィズスセクションでまさかのどハマり。

足が曲げられず推進力が得られず、狭いところに詰まり体が思うように上昇せず。

挟まり続けて数十分、このままだと日が暮れると意を決して、ここの1mだけA0(岩以外のもの、スリングなどを掴んで上昇すること)。

その後は見た目通りで、難なく上昇。相方も同じところでどハマり。

A0であったものの、達成感だけはあったようですが、なんとなくモヤモヤします。

大御所marubo氏より、「Tスタックをすると楽に登れるよ」、ということでした。

ギリギリまで体を外に出す、ということ、なのでしょうか。次回、検証してみます。


4ピッチ目

これが噂の4ピッチ目。体を指す方向が明暗を分けるこのピッチ、序盤はフィストとヒールトゥーで難なく突破、

続いてのパートは体の差し方を間違え苦戦、改めて逆向きで挑むと難なく突破、最後は優し目のチムニーを突破し、最後の岩峰への飛び移りに難なく成功。

大したことないと感じたのは、フォローだったからであろう。

そんなこんなでようやく岩の上に立つことができました。フリーでは抜けられなかったけど、とにかく、最高でした。

お疲れ様。

結局1日仕事になり、これにて全行程終了。

帰りに、marubo氏オススメ、間違いないお好み焼き屋3選の一つ、キッチンKにお邪魔することに。

入り口にjapanese pizzaとか書いてあり、店を間違えたかなと一瞬まごつきます。

ホルモンと牛スジをシェアしハーフアンドハーフ。表面がパリッとしていて、少し甘めのソースが疲れた体を癒してくれます。

名残惜しさを持ちつつ、残された力を振り絞り、帰路につきます。

冒頭でも書いた、なぜ登るのか、そんなくだららないことを話しながら帰ります。

関係者の皆様、ありがとうございました。

ちなみにここ三倉岳は登山道が整備されており、いまだに頂上には行ってはいないけど、高度感のある岩山登山が楽しめるようです。

また、麓の「三倉岳キャンプ場」は快適そのもの。

木々に囲まれたサイトは、かなり平に整地され、各サイトに6人掛けほどコンクリートのテーブルと椅子が常設。

しかも無料ときたもんだからもう意味が分からない。しかも、トイレがおしゃれすぎる。

クライマーに限らず、快適にキャンプと登山を楽しみたい方には絶対おすすめです。

本当か嘘か知らないけど、熊の目撃情報もあるようなので、食料の放置などは気を付けたいですね。直火は厳禁だそうです。

それでは、失礼します。

昨年秋の、展望台からの雲海。

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