こんにちは、アウトドアーズ・コンパスの多田です。
思い起こせば2022年5月、瑞牆(山梨県)遠征が雨で中止、急遽三倉(広島県)遠征に切り替え、三倉ワイドの洗礼を受けたのは、まだ記憶に新しい。
そして、今回もまた、甲信越は雨。もう一生瑞牆には行けないのかと思うほど、瑞牆には何度も振られ続けている。
そして、またしても三倉は好天、逆に三倉が呼んでいると言わんばかりの、一年前と同じ状況が再び訪れる。
去年と違うのは、ソロだということ。
純粋にクライミングを楽しみたいという、自分の中の理想のクライマー像を意識しつつも、ソロだと暇を持て余すというのもあり、
SNSで発信したりと、やはり雰囲気を出そうとしてしまうあたりが、まだまだ未熟だなと思ってしまう自分がめんどくさいなと思いつつも、なんとかクライミングを楽しむことができて、とりあえず満足。
小市民が故、いやいや、、前日まで雨で、そんなに急いでも仕方がない、ということで、尾道からは2号線で廿日市市方面へ車を走らせる。
この路線は、バイパスなどが充実していて、下道なのに意外と苦にはならない。
時間も、高速を使う場合と比べて1時間も変わらないので、のんびり派の方には逆におすすめかもしれない。
なんなら、広島市内に立ち寄り、本場のお好み焼き休憩なんかしても良いのかもしれない。
初日は、とりあえずウォーミングアップで、前回訪れた「キッチンK」
細麺のパリ麺は、あっさりしていて食べやすく、麺1.5倍をぺろっと平らげる。
アップ完了。
駐車場についたのが13時くらいだろうか。
さっと準備をし、近場の原助辺りへ向かう。
いつものように、山岳会なのか、何かのクライミングのガイドツアーなのか、メインウォールはトップロープで覆われ大賑わい。
アップで易しめのを触ろうかとも思ってはいたが、即退散。
というわけで、早速、以前ヌンチャクの携帯を忘れて、唯一打たれている抜けあたりのピトンが使えず、モゴモゴしていたらヨレ落ちした、モルモットクラックをお触り。
なんとなく、三倉の感、を取り戻して初日は終了。
2日目
夜中の雨で、シケシケが予測されたが故、中の岳岩綾へ。
というわけでもなく、前日の帰りのアプローチで、なんと持病の右足首をガッツリ捻挫!敗退かと思ったくらいだが、氷でのアイシングとニューハレXテープでなんとか行動できる状態にまで回復。
様子見で2日目は優しめのルートを選択したわけ。
クライミング的には、そこまで大したことはないけど、岩をとにかくなんとかして通過する、そんな力を試すには十分に楽しめたと思う。
そして、山頂からの景色はやはりいつ来ても絶景ですね!登山ルートもあるので、オススメ!!
3日目
今日からは、しっかりと攻めます!!
以前、marubo氏からオススメいただいた、中の岳フランケ下部。
まずは、ダブルクラック。
不死身伝説がついに途絶えた組長が、最近登れたと聞いていたルート。
奴には負けてられんと思い取り付くも、下部で意外に苦戦。
いや、意外でもなく、なんとなくそんな気はしていた。
ややフレアしたシンハンド、といったところだろうか、若干効きが甘く、オンサイトでは突っ込めずテンション。
落ち着けばムーブはこなせ、上部はとりあえずムーブは読めた。
繋げトライ、徐々に日が当たってき、岩がヌメってきたのは言い訳なのかもしれないが、核心であろう下部で何度かフォール、
対策は入念にしてはおいたが、下部が故、グランドギリギリの大フォールは、落ち慣れとでも言おうか、逆に安心感を得ることができた気もする。
とにかくさっさと登りたかったので、執拗にトライを繰り返し、気合いで下部は突破。
上部は読み通りの動きでクリア。
うーん、良いルートだ。
続いてへの字ハング。
こちらも、フィンガーからハンド、フィストから最後は一瞬オフィズスの評判が高い好ルート。
なんとなく読めはしていたものの、ハング越えの足上げがなかなかうまくいかず苦労する。
最終的にあっけない解決策が整うが、無理せず明日にとっておくことに。荷物をデポし、最終日に備える。
車中泊も最終日、水道での入浴もこれが最後、名残惜しい、最後の晩餐といきますか!
4日目
早くも最終日。今回は、無理せず楽しむことを目標にして挑んだおかげで、最終日も体はボロボロではなく、ちょうど良い疲労感。
マラカリは今日もご機嫌。
昨日ムーブは解決したへの字ハングへ取り付き、さらっと登って好スタートを切る。
本来は、続いてダイヤモンドクラック、という流れが普通ではあるが、
キャメロット5番が2個いるようなことがTOPOに記されていたのと、次誰かとこのエリアに来る時のためにとっておこうという、
yamayaが聞いたら怒りそうな言い訳をしその場を離れ、初日にお触りした、モルモットクラックを登りに源助へ移動。
いい加減、まだ登ってなかったの、と言われそうなので、気合いで取り付く、つもりだったのだが、エリアに着くやいなや、イヤーーーな黒い飛来物が頭の周りにまとわりつく。
そうそう「メマトイ」って奴。
顔の周りを巡回し、目を開けた瞬間に目に飛び込んで来るハエみたいな奴。
ちなみに、涙の成分を好んで、それを舐めに来るようだ。
噛んだり刺したりしないだけマシではあるが、100匹どころではなさそうな大群が常にまとわりつき、クライミングはおろか、休憩すら落ち着いてできない状況。
とにかくロープ、アブソーバーなど、支点をセットし、とりあえず離陸。
常にまとわりつくメマトイは、登っているうちはあまり気にはならないが、少し気をぬくと目や耳に潜り込んで来る状況。
もう何度取り付いていることがわからないが、今回はサクッと登るき満々で挑むものの、メマトイは言い訳かもしれないが、テンション。
気温のせいで、多少ぬめりもあるような気もするが、これは落ち着いて取り付かねば、また敗退してしまいそう。
そう思い、メマトイと戦いながら、ムーブの確認。
結果、微妙は斜上クラックは逆手やなくて順手、これが鍵だったようだ。
用意周到の状態で登るのは、あまり好きではないけど、今回は何としても登らねば、背に腹は変えられない。
準備万端で、いよいよ次は繋げトライ。
そう思いレストするも、メマトイの勢力は衰えるどころか増すばかり。
本気で、五分五分くらいで帰ろうかと迷ったくらいだ。
とにかく離陸したらこっちのものだ。
これが最終トライ、早く登って一刻も早くこのメマトイ地獄から逃れたい、そしてお好み焼きを食べて帰りたい、その一心で、序盤はかなりスムーズに突破。
上部は落ち着いて手を出せば落ちることはない、慎重に予定通りのムーブをこなし、最後のトラバースも落ち着いてこなしトップアウト。
ふー、やっと登れた。と思った瞬間に、再びメマトイの襲撃に合う。
というか、おそらく登攀中も常にまとわりついているのだろうとは思うが、集中しているとそこまで気にはならないのだろう。
集中力って、本当に存在するのだと実感。
そんなこんなで、無事下山、帰りに「teppannyaki兄弟」に立ち寄り、スペシャルにおいしいお好み焼きを食べ、退散。
やっぱり三倉は面白いですね!!
特にtrad系のルートは多彩で、より自由で創造的な登りが出来る。しかもソロなのでさらに自由。
本当に来て良かった。
だがだが、遂に梅雨入り。しばらくはインドアでトレーニングに励むとしますか。
ではでは、またいつか。
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